コスメニュース 化粧品@トライアルセット

化粧品大手、中国の専門店拡充 カネボウ、資生堂…消費者囲い込み

化粧品大手、中国の専門店拡充 カネボウ、資生堂…消費者囲い込み

2011年5月24日(火)配信の化粧品ニュース

 化粧品大手が中国での有力な販売チャンネルとして、化粧品専門店の拡充や強化に乗りだしている。中国では中間層の生活水準が上がるにつれ、スキンケアやメーキャップへの関心が向上。20万店規模に広がったとされる専門店も身近な存在になってきており、各社は専門店を百貨店やドラッグストアに続く販売チャンネルに育て、より多くのユーザーを取り込む構えだ。

 カネボウは西安や成都など中国内陸部で、9月に専門店ルートでの販売に乗り出す。現地生産の新ブランド「AQUA LUNASH(アクア ルナッシュ)」を導入。中間層の20代女性をターゲットに、100元(約1260円)前後で買い求めやすい化粧品の販売を始める。

 同社は上海や北京など沿岸部の大都市では百貨店を中心に日本製の高級化粧品を販売し、富裕層を対象にブランドの認知度アップを図ってきた。これに対し、内陸部では中小規模の専門店を中心に展開し、まず約700店で化粧水や乳液などを売り出す。2012年末までに1000店規模に拡大させ、同年の専門店売上高を20億円に伸ばす計画だ。

 一方、06年に中国の専門店での販売を始めた資生堂は、専用ブランド「URARA(ウララ)」などを扱う専門店を既に約5200店にまで拡大。当面の目標を「各店での売り上げ増加」(同社)に絞っている。

 昨年末には、企業名を表に出さない高価格帯のブランド「ディシラ」を販売実績の高い100店舗に導入。従来取りこぼしていた消費者を囲い込む作戦に出た。

 このほか、日本製の高級ブランド「エリクシール」や「美白」効果をうたう「HAKU(ハク)」も投入済みで、2割近い売り上げ増を目指す。

 資生堂によると、10年の中国の化粧品市場は約1兆6000億円。日本市場の3兆1000億円と比べ半分程度だが、17年には日本と肩を並べる規模に成長するとみられている。

 少子高齢化を背景に国内需要が頭打ちとなる中、中国人女性を自社製品の愛用者にするため、拡販戦略の試行錯誤は今後も続きそうだ。(米沢文)

過去の記事を読む
2011年 4月 3月
inserted by FC2 system