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住友大阪セメント 全紫外線カット開発 化粧品原料の売上高倍増牽引

住友大阪セメント 全紫外線カット開発 化粧品原料の売上高倍増牽引

2011年5月20日(金)配信の化粧品ニュース

 住友大阪セメントは19日、日焼けやシミの原因となるほぼすべての紫外線をカットする化粧品原料を開発したと発表した。国内外でアンチエイジング(抗加齢)への関心が高まる中、紫外線カット効果のある化粧品のニーズは急速に高まっている。同社は化粧品メーカーに向けてサンプル出荷をすでに始めており、化粧品原料全体の売上高を現状の5億円から2013年までに倍増の10億円へと引き上げる計画だ。

 紫外線はシミや皮膚のたるみなどの原因になるA波と日焼けを引き起こすB波に分かれている。従来、B波だけをカットする原料は存在したが、A、B波の両方を遮断できる原料はなく、住友大阪セメントが世界で初めて開発に成功した。

 これにより、ほぼすべての紫外線をカットすることが可能になり、「日傘をささなくても日焼けしない」(塚本員久常務)という。

 13年発売の新商品での採用を促すため、同社は現在、化粧品メーカーへのサンプル出荷を進めている。欧米を中心にアンチエイジングやスキンケアのニーズが高まっており、海外メーカーからの引き合いも強い。

 同社はセメント生産で培った粉体加工技術やナノテクノロジーを生かし、酸化亜鉛を原料とした日焼け止め化粧品向け原料を開発、1985年から化粧品メーカーに供給している。

 化粧品原料の生産量は、開発した原料が牽引(けんいん)役となって、現在の300トンから13年までに1000トン超へと拡大する見通しで、売上高も、10億円にまで引き上げたい考えだ。

 同社は化粧品以外の用途展開も図る構えで、自動車用フィルムや、保存食向けの食品包装フィルムへの展開を目指す。

 セメント協会によると、セメントの2010年度国内販売量は前年度比2.2%減の4104万トン。公共事業や設備投資の減少でピーク時の1990年度に比べると半分以下の水準にある。

 セメント各社は収益性を高めるため、新素材の開発など新規事業に活路を見いだそうとしており、成長分野への研究開発をめぐる動きが、さらに加速しそうだ。

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2011年 4月 3月
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