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新緑を眺めつつ、定番のアート散策へ<箱根:1>

新緑を眺めつつ、定番のアート散策へ<箱根:1>

2011年5月19日(木)配信の化粧品ニュース

 新緑の箱根が一番好きだ。

 雪に包まれた冬が過ぎ、短い桜の季節が終わった5月初旬、箱根の山は一気に緑に染まる。若草色、青竹色、萌黄色、柳の葉色…。微妙に異なる色合いの緑が山のてっぺんまで広がるさまは見ているだけで楽しく、「山笑う」というのは、なるほど春の季語なのだなあと思う。

今回は、そんな新緑の箱根に1泊2日でひとり旅。初日は定番スポット散策、2日目は話題のパワースポット巡りと決めている。初日は、雨模様のスタートとなった。

*** ポーラ美術館でアート散策 ***
仙石原の森のなかにたたずむ「ポーラ美術館」 朝7時、新宿から小田急ロマンスカーに乗り箱根湯本へ。到着したホームから箱根登山電車に乗り換えて終点の強羅へ行き、「観光施設めぐりバス」に乗ってポーラ美術館で下りる。時刻は9時50分、乗り物の選択肢が多く移動に困らないのも、箱根が好きな理由のひとつだ。

 さて「ポーラ美術館」の魅力といえば、モネ、ルノワール、ゴーギャン、ピカソなど西洋近代美術の“いいとこどり”なコレクション。しかし、今日ここを訪れた最大の目的は、フランスで活躍した日本人画家レオナール・フジタ(藤田嗣治)の企画展だ。「乳白色の肌」と言われるその独特の色合いが好きなのだが、特に今回は日本最大級という同館のフジタコレクションが一気に見られるとあって、見逃せないと思っていた。

展示には初めて見る作品も多く、特に晩年好んでモチーフにしたという子供の絵が興味深かった。かわいらしさやユーモアをまといながらも、どこかシニカルでエロチックな描写に何度もどきっとさせられた。

 そして何回見ても気分が盛り上がるのが常設展の「化粧道具」。江戸時代以降の国内外の化粧道具を集めた、ポーラならではの展示だ。スーツケース大の巨大バニティケースや、サンゴで飾られた豪華な化粧箱など、見ているだけでうっとり。グッズショップであれこれ物色するうちに、気づけば昼近くになっていた。



*** ぶらり散策は宮ノ下で ***
 いったんバスで強羅に戻り、再び箱根登山電車に揺られて、今度は宮ノ下で下車。

宮ノ下はレトロなお店が多く、散策にも楽しい。たたずまいもかわいらしい「渡邊ベーカリー」。温泉シチューパン580円、コーヒーは380円 実は箱根は食事代が高い。ランチでも軽く1500円を超える場所が多いなか、リーズナブルにひとりご飯を楽しむなら宮ノ下がいい。

 今日のランチは「渡邊ベーカリー」の温泉シチューパンとコーヒー。丸いフランスパンをくりぬいた中に熱々のビーフシチューが入っている温泉シチューパンは、皮がパリっと、中はもちっと。もともとはこのパン、箱根駅伝を応援する人たちにふるまっていたものが評判となり、現在は同店の看板メニューとしてイートインコーナーに週末は行列ができるほどの人気。店内にただよう焼きたてパンの香りもまた、ごちそうだ。

 腹ごなしに、隣の老舗「富士屋ホテル」の庭を散策して、おやつに同ホテルのパンを購入。バスが来るまでにはまだ少し時間があるので、お茶でもしようと駅前の「NARAYA CAFE」に立ち寄った。

 ここは創業元禄時代という老舗・奈良屋旅館(2001年閉館)の社員住宅を改築したカフェで、広々とした空間にはギャラリーや足湯も併設。ちょっと話をうかがおうとマスターの姿を探すと、隣の建物で何やら工事中。「こっちにも新しいスペースを作ろうと思ってね。今日は雨だし平日だし、暇だから作業できるかなと思ったんだけど」と話すが、その間にもひっきりなしに来客があり、なかなかの繁盛ぶり。カジュアルでおしゃれなカフェというのは箱根にありそうでない貴重な場、リピーターも多そうだ。



*** 初日は温泉で締めくくり ***
「NARAYA CAFE」。足湯しながらコーヒーも飲める さて、足も疲れたし、そろろろホテルに行こう。もうチェックインできる時間だし、荷物を置いて温泉に入りたい。今日の宿は、お得感を重視して「B&Bパンシオン箱根」にした。シングル1泊3800円で朝食と箱根小涌園「ユネッサン森の湯」入湯券付きという、箱根では珍しいリーズナブルな宿。設備はシンプルで、アメニティーもなく洗面所は共有、会社の寮のような雰囲気だ。それでも大浴場は併設されているし、部屋も清潔、ひとり旅にはむしろ気楽な宿とも言える。

チェックインを済ませ、さっそく施設巡回バスで「森の湯」へ。

 …あああ、気持ちいい。

 時刻は夕方4時。屋根のついた半露天風呂で半身浴しながら、周囲の森をぼんやりと眺める。じわっと温かさが染みてきて、緊張が指先や頭のてっぺんから抜けていく感じがする。気づかぬうちに疲れていたのかもしれない。

最後に打たせ湯に…と思ったら、「緊急メンテナンスのために当分閉鎖」。そういえばユネッサンも震災のために一時閉園され、再開したのは5月1日から。この箱根でも、まだまだ震災の爪痕と向き合う機会は多い。

 明日のパワースポット巡りは、かなり長距離を歩くコース。今日は早めに寝よう。




ひとり旅メモ

・食事はどこでとる? 
  ひとり旅で一番頭を悩ませるのが食事の問題かもしれない。「自分へのごほうび旅行だから」と張り切ってフレンチやイタリアンレストランにひとりで行くのもいいけど、慣れない場だと逆に気疲れしてしまうこともある。食がメインの目的でないなら、便利なのはカフェ。手頃なお店が見つからない場合は、テイクアウトの総菜やパンを買って部屋で済ませるのも気楽でいい。今回宿泊した「B&Bパンシオン箱根」には簡易キッチンがあり、簡単な料理なら自炊もできる。

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