コスメニュース 化粧品@トライアルセット

コーセー、日焼け止め2大ブランドに挑戦状 美白機能で売り込み

コーセー、日焼け止め2大ブランドに挑戦状 美白機能で売り込み

2011年5月10日(火)配信の化粧品ニュース

 高価格帯の日焼け止め商品で市場を二分してきた資生堂とカネボウ化粧品を、後発のコーセーが追い上げている。昨年発売した商品は12月までの販売実績が計画比2割以上と好調で、化粧の下地機能を持つ商品などを今年に入って追加し、新規顧客の開拓に注力。先行2社も新製品の投入で迎え撃つ構えで、日焼け止めの商戦は三つどもえの様相となってきている。

 コーセーは昨年2月、肌の「美白」をうたうブランド「雪肌精」のラインアップに日焼け止めを追加。60グラム入りで希望小売価格3000円と高めだが、売れ行きはよく、同社の担当者は「『美白する日焼け止め』というコンセプトが消費者に浸透してきた」と手応えを話す。

 日焼け止めはここ数年、資生堂の「アネッサ」やカネボウ化粧品の「アリィー」の2大ブランドをはじめとする3000円以上の高価格帯と、1000円以下の低価格帯の商品に二極化が進んでいる。これに対し、コーセーは「中価格帯の商品が中心で代表的なブランドが育っていなかった」(同社)という。

 そこで目をつけたのが、1985年から世界に通用するブランドとして売り込んできた雪肌精。日焼け止めでも美白と保湿効果を訴え、美容意識の高い消費者を取り込むことに成功した。

 今年3月には肌を整える効果を高めた商品を追加したほか、25グラム入りのミニサイズも投入し、携帯用の需要などの掘り起こしを狙っている。

 コーセーの攻勢に対し、先行2社も対抗策に抜かりはない。資生堂は昨年、使用感を軽くし、専用クレンジングなしで落とせるように改良。今年は美白タイプを追加し、雪肌精への愛用者流出を防ぐ構えだ。トヨタ自動車など異業種と共同での販促活動にも力を入れている。

 一方、カネボウのアリィーは2000年のデビュー以来、「絶対焼かない」をキーワードに顧客を獲得してきた。今年の新商品では肌になじむジェル素材に紫外線防止素材を配合し、みずみずしい感触を実現したといい、「出足は好調」(同社)。

 民間調査会社の富士経済によると、日焼け止め商品の市場規模は06年の217億円から10年には237億円に拡大したとみられる。「1年を通じて使用する消費者が増え、年齢層も広がっている」(業界関係者)。例年、大型連休明けに商戦が本格化することから、各社ともアピールに躍起になっている。(米沢文)

過去の記事を読む
2011年 4月 3月
inserted by FC2 system